豪快さと効率の良さを両立したカマロSSのV8エンジン
“アメリカン・マッスル”として50年以上にも渡り人気を博してきた「カマロ」。これほど長く愛され続けたのは、伝統を受け継いだV型8気筒エンジンが生み出す独特のフィーリングもひとつの理由として語られています。
トップグレード「カマロSS」に搭載されるのは、7代目コルベットから譲り受けた、LT1と呼ばれる6.2リッタースモールブロック仕様のV型8気筒OHVエンジン。過去には、欧米の著名な自動車メディアが12メーカー37のエンジンから選定する「世界の10ベストエンジン」に選ばれたこともあるほど高く評価されています。その理由は「パワフルなうえに燃料効率に優れ、優れた加速性能を実現したこと」とされ、開発陣の妥協を許さない姿勢が見事に実を結んだ証しとなりました。
このLT1エンジンは、長く製造されてきましたが、7代目コルベットの開発時に、直噴システムとアクティブ・ヒューエル・マネジメント(可変気筒システム)、連続可変バルブタイミング(VVT)など、高度な技術を新たに採用することで、強力なパワーと優れた効率性の両立を図りました。コンピューターによる解析は1000万時間以上(CPUタイム)に及び、そのうち600万時間が先進的な燃焼システムの開発に費やすなど、前例のない解析作業が行われています。
最高出力453PS、最大トルクは617Nmという強力なパワーを出力しながら新たに開発された10速オートマチックトランスミッションとの組み合わせにより、燃料消費量は歴代でもっとも抑えることに成功、巡航状態に入った瞬間から気筒休止システムが働き、8気筒から4気筒へと移行することも燃費性能の向上に大きく影響しています。
もちろん、カマロSSはアメリカン・マッスルの名に相応しい豪快な加速が特徴。0→60マイル(約96.5km/h)加速は4.0秒を誇り、加速する際も迫力あるエンジンサウンドでドライバーを夢中にさせます。Bossプレミアムサウンドシステムに搭載されたアクティブノイズキャンセリングが機能することで車内の音量はだいぶ抑えられますが、わずかに伝わってくるV8エンジンが発する活気ある鼓動は実に刺激的です。
当然、加速性能が優れていれば止まることも重要。カマロSSは、レースシーンにおいて数々の実績を誇る信頼性の高いBrembo社製ハイパフォーマンスブレーキシステムを装備。時速60マイル(約96.5km/h)時からのフルブレーキングでは、117フィート(約35.66m)で停止させることを実証し、その高い制動性能もカマロSSの信頼性を高める理由となっています。
SPECIFICATIONS
シボレー カマロ SS
ボディサイズ:全長4,785×全幅1,900×全高1,345mm
ホイールベース:2,810mm
エンジン:V型8気筒OHV
総排気量:6,168cc
最高出力:333kW(453PS)/5,700rpm
最大トルク:617Nm(62.9kg・m)/4,600rpm
トランスミッション:10速AT
駆動方式:RWD